୨୧ ログ

きみ翳む
かなしくなるための音沙汰
宇宙もお菓子も猫もいらないから
腐りゆく果実だけが知る神さま
狂気の沙汰さえ溶けてしまう夜に
あなたのひとみがあおくなくなるまで
蝿よりも鳥よりも空よりもはやく

ぼくらは愛へ已んでいたい
たったひとつのまばゆさに死んで
どの毛羽立ちよりもあわい翳
恋する惑星とかよくわかんないけれども
繋がらないつま先の向こうを蹴って
いつか月が壊れてしまう頃に
うまれたてのすべてがきみを欲する
花も嵐もあなたのものでありますよう

ぼくらがみんなおばけじゃない頃に
あなたの齎した花か灰で満ちる夜に
微妙な熱ばかりを信じている年頃に
ドーナツの穴のように生意気な夜に
閉じっぱなしの題名が震えだす頃に
くちづけするためのワンダーランド
ふたりの第六感を掻き乱してきっと

甘々の空白をまぶたと呼ぶ
雷じゃないならなんだって言うの
なまぬるい火を帯びる
キスよりもうるさいことに触れし夜
けもののうちに霖の残骸を見つけて
美しい罠のかたわらよ
枯れゆくすべての彩を抱く横顔に
毛むくじゃらの一音と眠る
ひかりとは夢と虫のあいだの出来事
空を飛べない代わりの五指
てのひらからきんいろのにおい
その身にたゆたいを降らせながら
天使じゃないけれども許してね
ぼくら真暗の薔薇のように
いろはに綻ぶ永遠と名のつくすべて
ほんのすこしだけ遠くのやさしさ
よろこびじゃなくても降り頻っていて
見上げた先の翳をくすぐれば
地に足つけて走るまぼろしそれがきみ
もう今はいないひとと海を見ている

満月以外の円をすべて塗り潰せば
きみが好む彩度と呪詛
たかだか一瞬のあをい歯牙
めずらしい場所には行けないけれども
痛覚ばかり鮮やかに飾ってゆく
きみがいる夜明けほどけた血のにおい
いつか化けてね
海よりもあをいものを抱かないで
逆しまの彩度からきみにキスを
あの夏の匣の味を憶えている
ひとならざりてひとになれたら
ふたり星か砂かが過ぎゆくまでに

なにがしかを司るてのひら
やわらかなリングワンダリング
心臓さえ絶対的じゃない夜に
まばらのための神話
稲妻と花柄とあわい生殺与奪
振り向きざまにどちらを見遣る
吉事も凶事も五指の意のまま

誰が詠んだの春の嵐を
間違いだらけで探しまくる
このてのひらは犬死じゃないと言って
ニューヨークから見た月も丸いですか
終わったのでもうはじまりもいないよ
晴れのち雨ときどきのフェティッシュ
濡れた夜の其処此処にきみ
只やわらかな化けの皮
どんよりとしたくちびるに花束を
なにがなんでもきらきらしない
ぐちゃぐちゃにしてハレルヤ
すやすやと羽ぐくむ周波数
じたばたしないで蜜と唾
どろどろに燃えた不治の春
わくわく不正解だらけの楽園
ふかふかの宿怨を抱きしめたら
うごうごとしたサムシングブルー
きっと息さえもほの暗い
ぼくら春と修羅のあいだで燃える
たった唯一ひとりの群れ
ファンジとグレーの庭の片隅
あたたかな手負いでいさせてほしい
心臓のように動かないでくれ
日の当たらない海をまぶたにする
てのひらの中に白い火気
ひび割れたまなうらの群れよ
左の幻聴、右の玉響、目の前の寝息
とつくにの悪癖
"6EQUJ5"のための三時のおやつ
知性の向こう側で会いしましょう
むずかしいまなざしいとおしい
花瓶の中の水を飲み干せ
ここはどこわたしは誰にくちづけを
きっとおまえはぼくにとってのパングラム
指差すカリグラフィーのうしろ姿
柩を真似た五指
いつかの通い路に濡れて落ちる
祈りよりもずっと向こうの暗がりで
鬼雨でも喜雨でもきみを失う
春めかしく匣の中でぐちゃぐちゃ
どこに行けばいいかわからないだろう?
君の身のうちにおわす悪徳の太陽
月は月が月に月を月へ月の月や月と月も月から月より月ごと月まで

Wow!signalの生まれ変わり
ドーナツの輪の透明よりも自由自在
虚ろが通用しないα星
孔雀を抱きしめてわたしを流星群にして
額にスピカを冠してうまれた
あの光が子午線を越えるよりもはやく
暗闇も永久凍土も燃やすような
リボンのかけらが埋まる方角で眠りたい
くるぶしを飾る88のきらめき
いつかきみはグリモワールを羽毛にせしめる
満ちる手前の遺伝子にくちづけを
まなざしで飼う異国
麗らかな四肢に宿りしセプテンバーよ

満ち欠けする獣
むずかしいひらがなで告げてほしい
目覚めたとき誰もおらずとも
それは小指のかたちによく似た遠吠え
太陽も月もそっぽを向く場所で
まぶたなんていらない
この世のすべては棕櫚の真下の行為
今夜わたしをブランカと呼んで
浴びるように貪る金色
いつかフローズヴィトニルソンが眠る庭
やわらかなけものみち
鮮烈はあなたが見ているあいだだけ
王と名のつくものばかり集めた
額に百日紅のラブレター
オリオン座が消えてなくなるその日に
極彩色しか食べないオメガ
あなただけにゆるされた情熱と孤独と
天蓋から燃えてゆく
てのひらに透かして見える本能
狩りをしながら子どもじみたくちづけを

一滴の天国
深海とは定義できないような場所で
安らかな原始を孕む夜
きみは千切れた星か濡れた花のにおい
波打ち際に似て非なる行間
0より100より数えたいものがあった
甘くてどうしようもない潮風
いつか温血動物をやめるための火たち
夢見る気持ちで傷つけて
すべての言語をわたしで包んであげよう
10,911mに隠した怯え
虹にもフルデプスにもなれない代わりに
天使と見間違えるような地獄
かりそめの月面着陸
この身にばら撒いてよゼラニウム
くちづけは雷が落ちるとき
誰も彼もの溶けたまぶたが降り積もる
純水で織り成した花束
どうかわたしの名前を歪に書いてほしい
海底からずっと呼んでてね

蝶々で満ちる
ハガルの夜に抱きしめた
熱い冷たい醜い怖いでもきみを愛してる
プリズム越しにキスをしよう
世界でいちばんかわいい嵐に巻き込んで
純銀の産毛を撫でておくれ
ふたりかたちを失わずに永遠となりたい
天罰がほど近いまばたき
例えきみが生み落とすぜんぶが陽炎でも
ソング・オブ・ピンクエビドート
思考回路でいっとうのメルヘンをあげる
Roar of Jewelry box.
あなたが抱える怠惰で犯して
微々たるドラマチックさの中で眠りたい
夏よりも遠い場所で滅びよう
「ここがどこだかわからなくなる前に」
ジャッカロープの血肉を分け合えば
星の子よ羽化できぬ虫よ卵胎生の涙よ
僕は壊れちまった万華鏡
アリスと名のつくものすべてきみのもの

くちづけでしかあげられない奇跡
雨によく似た透明な呪詛
乙女にも牙はある
真夜中と屠肉の狭間に秘せし愛
ぼくら玉響ばかりを気にして死んでゆく
野良猫の心臓になる日まで
ごちそうさまがI love youに聞こえる頃
まぶたの代わりの冠
あなたは北極へ、わたしは南極へ
いつまでも真魚の祝いを紡いであげる
サン・ゴーズ・ダウンの微笑み
この世に必要でないぶんのリボンさえ
霞むはプラチナと蜂の羽ばたき
きみのまなじりを犯す夏
薔薇よりも短い言葉で唱えてくれ
幼い生きものしか食べられない
線香花火が邪魔をするから
ピンクサンドビーチで目覚めるまま心中
流れ星の速度で火傷する//きれいなワルツを捧げるために

a sparkler.
這いずりまわって生まれ変わる
「胸と胸のあいだにある唯一を教えて」
蔓延らせるのは極彩色の本能
体がはんぶんになっても抱きしめたげる
肉の割れ目はオニキスの彩度
あれもこれもなにもかも月ときみのせい
金剛石のナイフとフォーク
あなたの身のうちに宿るほの暗い日の出
ひと粒のやわらかな沈黙
剥製にした晴天
きっと創世の頃は円環なんかじゃなかった
祝日を掻き集めておやすみなさい
ひとならざるときめきを
燃やして凍って眠たくなるその日まで
嘯くホイップクリームたち
血統書も夕焼けも破り捨てて女神になる
ミルクティー・メロディー
前世はきっとエレシュキガルという恋
ふたりのための劣等

待ち合わせはパラレルワールドで
ひまわり畑に潜む真夜中
内臓の代わりに百花をばら撒くよ
砂糖漬けの羅針盤/
Endless Endless My Sweet Darlin.
かなしみで溢れたユニバース
おまえはキャラメルのなりをした悪魔
宝箱の中でじゃないと泣けない
おしゃべりで甘えたな片翼
水飛沫はアメリカンチェリーの裾を翻し
お皿の上のエンゼルフィッシュ
夕闇を重ね魔法を解き殻を脱いで
人魚なんかじゃなくても
鮮やかなところだけを食べてほしい
わがままなスパンコールで飾った窪み
繊細を欠いた箱庭で
エピローグで編んだワンピース
いつだってユニコーンのまぶたをしてた
鍵の在り処を知るくちびるで
ギラッファ・カメロパルダリスの理

偶然も運命と呼んでほしい
王子様か魔物のまなざしをしている
砂にならない薔薇をあげよう
燕によく似たなにかが身のうちを通りすがれば
羽も心臓も濡れたままでかまわない
溢れる孤独の真ん中にいる
ちょっと熱いぐらいの体温と同じやさしさ
地獄に落ちても手は繋いだまま
エメラルドの窪み
宝箱と檻の中とオルゴールの差異に似た
いつかイスラ・ヌブラル島で出会おう
胎内記憶を飲み干せば
端の定義がわからぬのは宇宙とあなただけ
夜明けの花束
ベッドの中で昨日と明日が眠ってる
潮風が愛したうなじ
血より星より赤いものぜんぶきみのもの
海のように有象無象が恋をする
そこかしこの秘密が歌って
ぼくらの棺桶はきっとここにあるのだ

ロックンロールとちちんぷいぷい
濡れた獣の足音
優柔不断なお子様ランチ
甘く苦くどこまでも果てのアルデバラン
遠くへ触れるためだけの微熱
やわらかな頬を噛んでうまれた夜
隠れ家を檸檬の花で飾れば
シャムロックの手錠
まばたきの影を翼に愛が羽ばたく
はらわたよりも下に位置するとっておき
金色の産毛に沈む
からっぽでも満ちていても苦しい
心臓の機能よりも愚かなこと
ハンプティ・ダンプティはプレイリストの真上
日溜まりの中の狡猾
黄泉竈食ひもカニバリズムもできるまなざし
子守唄が滴るまで
春の終わりが形を成せばきみとなる
お皿の上の白夜と極夜
モンスターのひとみはいつの世でも緑色
餓えたまんまで眠らないで
背骨のうちどれかひとつが砂糖の擬態
とろけるチーズの呼吸
例えその歪が虹に見えなくても
鮫にも狼にも苔にもなれない代わりにこのまま
透明なまんまじゃ触れない
極彩色の乳歯
まぼろしを光より速くぶつけて
崖から飛び降りてもぼくらにはまだ海がある
前編と後編のあいだに
花より星よりオムライスよりかわいいよ
もっとずっときらきらするまで

わたしのかわいいひしゃげた闇よ
春の裏側、月の内側、額縁の外側
きみどこにいくのどこまでいくの
化物失格
それは寡黙なUFO
100秒後のきみにキスがしたい
いっとうやわらかな金と銀の結び目
Hotcake Kerberos.
花も海も鬣も愛も虹も火もぜんぶ
金剛石の切手
ホイップクリーム・プリンセス
けして満ちない国
でたらめな点と線で描いたすべてをあげる
チョコレートが溶ける速度で
Day Dream Desert.
煮ても焼いても四月の魚
真秀にいちばん近い場所をあげる
世界よ終われ
ひとりごとでできた獣
晴れの日の悪魔
純白というかたちを成すために
真綿でくるんだ太陽
ロマンチックだけがない街

パロミノの心臓
さびしいおばけのためのホットケーキ
模樹石の耳朶
はい虫たちのやさしい亡骸
Honey and Moon and War and.
いつか結び目もとろけて
初恋のためのたてがみを靡かせながら
涅槃寂静のいきもの
ばけものだってかわいくなりたい
真珠の釦に絡まるひと筋
きみが欲しがった夢見がちな数字
天蓋から滴る嘘
わたしのどこかが燃えている
甘橙も貯古齢糖もみんなきみのもの
純白のかをり
星よりはやくぼくに願いを
ほどなくすれば獣
千日たてばどんな彩度も闇となる
まばゆいドッペルゲンガー
41.7℃の斜陽
テディベアのかけらを探して
明滅するちちんぷいぷい
12あるうちのいくつかだけ知っている
銀の火の粉と花卉の冠
いずれ飲み干すプリズムフォール
無花果の種が成る前に
いつまでたっても痺れたまんま
群れ成す物語
プロローグのかけらを拾って
光は土に還れない

完全無欠のさびしがりや