夏至 二○二三

凸凹の永遠

いつかあわいのすべてを奪う
木洩れ日の死神
雨の蔑称を飼い馴らす
かぎりなく透明に近い痴情
あぶれた光と梦と夜
サロメもマリアも陰のなか
この世はほどけた倒錯のにおい
逆さまに耀くあなたを
ゆび先は畸形のピリオド
明日だけが足らないあをい庭
月の痕に火を放つ

わたしのこと薄くその血に混ざればいい
沙の上の貪食
いまもまだ潰れた額縁を抱いている

あとに残るは膨らむ花だけ

濡れたパン、焼けた葡萄酒、なまぬるい磔刑