summer
2019


atama no naka no yoake.
なにもかもが甘いにおい
例えば花は燃えるしきみは沈む
寝ても覚めても女王蜂
いつだって禁忌は紐解かれている
九夏三伏に呼ばれるままに
畦道で異端になる
うすらぼんやり困っていたい
のうぜんかつらの問いかけ
血に入り混じり遠く歩いてきた
冒涜でさえも疎かな庭
ゆめかわいくないことひとつ
アイスクリームに輪廻はあるのか
左にいるものを唱えるな
もう羽も耳も鱗も光も何処にも
胸の汀でほのめいていたい
すべての天気予報が溶け出す頃に
my name is venom.
フラミンゴは覇王樹になれないし
断崖と荒縄と良薬の先にいる
夢も現もぐるぐる廻る
目には見えないどころじゃない
さしたる違いを失ったばかり
三十九度を越えた昨日だけが本物
この首筋から灰にしてくれ
天変地異まであともうちょっと
指先ばかりさんざめく
思い出せないまま日を跨いだ
未だにそれの意味を探していない

リッスン・トゥ・マイ・ピンク
実在しない戸惑いを抱きしめた
おなかの中のひと匙の砂塵
氷の冠を戴いて眠る
ほんとうは宇宙船になりたかった
まばたきを忘れて生きていた
この目眩さえ止め処なく弄んで
ひなびた街の迂闊なときめき
あどけなく身に纏う罪悪
こびりついて解けないリアンユ
ぼくらは微妙なビヨンド
逆再生と逆再生の逆の再生を
表現の自由でわたしを融かして
ブラッドベリの心臓をなぞれば
うろんげな昨日の牙よ
三角形のあわいを飼い馴らす
不可説不可説転のそのまた向こう
微炭酸に身をやつす
隘路のすべてを燃やし尽くして
ブルーハワイと滅びの呪文
滴る四つ足のハッピーエンド
前も後も右も左も上も下もメロウ
手のうちが歪んでゆく
あの日の雷に名前をつけないで
雨が降るとき壊してくれ
踊れないならわたしを見咎めて
熊野牛王符の傍らの夜となる
鮫にはあってわたしにはないもの
all or nothing to you.
おまえの血肉に嘘を吐かない

いつかのどこかでロストするから
青いまんまじゃくたばれない
デスコよりもぎらぎらな舌の根
ずぶ濡れの御手で捕まえて
机上の空論をいじめていようよ
行き止まりよりも美しいこと叶う
馬鹿みたいなハレーション
そんなにつよく振り向かないで
てのひらの中の甜と酣
ひとりでに彷徨うから愛と謂うの
くちづけを拒む木漏れ日たち
はじめては引っ掻いたら破れた
朝と夜のあいだに難癖を
ちぐはぐな比率でもかまわない
ひこうき雲なら赦せたのに
うにゃうにゃしている進化と退化
はやくわたしを覗き込んでよ
涯てに擬態した秒針どもに告ぐ
ぼやけた点と線に騙されて
寝物語には熱すぎるし冷たすぎる
満ちれども宛てどなき
世界中の頭にりをつけていく
どうかうれしくなってしまう前に
明日のおばけがゆっていた
あなただけの災難でいるがため
日の入りのような嘯き
まぶたに触れたら崩する胚
閉じ込めている閉じ込められたい
good luck by my baby,
懺悔の暇なく虫歯だって出来る